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ジレンマ

犬の遺伝学の本を買って読んだり、詳しい方からの情報を頼りに、少しずつですが以前よりも遺伝病についての
理解が深まっては来ました。
そんな中で耳に入る様々な現実を知ると、正直、「前途多難」と感じてしまうような事が多く、ため息しか出ません(泣)
ため息ついてても始まらないので、やれる事をやるしかないのですが。

私もちょっと前までは「出来たら、した方がいいよねー」くらいにしか思っていなかった「検査結果の公開と共有」。
前の記事にも書きましたが、現状キャリアを繁殖に使う事が「悪」ではないと思っています。
(未検査での繁殖の方が、ずっとマズイです。)
むしろキャリアを省いた繁殖をしてしまう事は遺伝的多様性を失い、むしろ他の遺伝疾患のリスクを高めてしまう事にも繋がります。
良い性能や構成を持った犬がキャリアだった場合、その良い血を後世に残したい思いは繁殖のみならず、
犬種業界全体としても同じだと思います。
そうなった時、せっかく検査をしても、結果を犬種全体で共有出来なければキャリアの犬を繁殖に使う事が出来ない現実があります。
現状ですと検査結果を公開する場所がないので、キャリアは繁殖を断念せざるを得ない。
これでは「命」という物を真剣に考え、真面目に繁殖に取り組む繁殖者の方だけが衰退して、
何も考えずに(もしくは知らぬフリをして)未検査で将来にリスクを拡散するような繁殖者達だけが生き残る事になってしまいます。
これだけは避けたいことです。。。
他犬種にはキャリア犬を持った優良な繁殖者も現実に居ます。

しつこいようですが、キャリア因子を持った犬や、そのラインを批判したりする事は無意味な事です。
大切なのは、これからどう病気を減らして行くか。
これ以上病気や変異のある遺伝子を蔓延させない事・将来を見据えた犬種の向上を考えて行く為にも、
まずは検査を浸透させ、その結果を共有出来る場を設けられたらと思っています。

遺伝性疾患のコントロールには、業界に携わる関係者の理解とネットワークと協力が必要です。


補足として・・・
優性に遺伝する疾患は(常染色体優性遺伝性疾患)、発症した個体を繁殖に使わなければ減らす事が出来るのですが、
そのような背景もあって犬では常染色体優性遺伝性疾患はあまり多くありません。
しかし犬に数多く報告されている常染色体劣性遺伝性疾患(DMもそうです)では、キャリア犬は症状が出ない(発症しない)為、
発症個体を交配から排除するだけでは問題の遺伝子がいつまでも子孫に受け継がれていくことになります。
尚且つ、DMの場合は発症年齢が遅いことから余計にその家系の問題の把握が遅れてしまうので、
広がり方は場合によっては他の病気よりも早いと言う懸念があります。


仮に、1頭の人気種牡や台牝がキャリアや陽性だった場合の拡がり方を想像すると・・・
瞬く間に蔓延していく事になるでしょう。
これは将来に渡る大きな責任問題になると思います。

FBではシェアしていましたが、こちらにも。
先日関西で放送された遺伝疾患の特集です。
短い時間で、わかりやすくまとめられています。
是非、ご覧になっていただきたいと思います。

ペットの遺伝病の放送

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もうすぐ桜が咲くね。。。アスター。
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| 変性性脊髄症(DM) | 13:40 | comments(2) | trackbacks(0) | TOP↑

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